デザイナー
青山嘉道
「日本のメガネ展示会iOFTには2002年に初出展し、3年連続アイウェア・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。その頃から、シルモドールへの熱い想いがありましたね」
とは、<FACTORY900>などを展開する青山眼鏡のデザイナー、青山嘉道さん。油圧プレスなど世界的にも稀有な加工技術をもつファクトリーを母体とし、いくつかのブランドを輩出している。2006年のシルモ初出展時をこう振り返る。
DESIGNER
YOSHIMICHI AOYAMA
“We first exhibited at an eyeglasses exhibition in Japan in 2002 and went on to win “eyewear of the year” for three consecutive years. From that point on was an exciting time with the SILMO D'OR” says Yoshimichi Aoyama, the designer responsible for
福井ブースという合同出展での参加でした。そのとき、海外ブランドからOEMを受注するためのエリアではなく、ブランドを前面に押し出す“ヴィレッジ”というエリアに出展するよう、他社のメンバーを説得したのを覚えています。当時は、シルモドールなんてエントリーの仕方すら知りませんでした(笑)。そんな余裕もありませんでしたしね」
以来、現在まで毎年シルモへ出展を継続。3回目からは独自のブースで出展し、シルモドールへのエントリーも開始した。そして2013年、ついに<factory900>でサングラス部門の金賞を受賞する。小文字のブランド名は、薄いシート材を使用し、曲げ加工などでの造形をコンセプトとするコレクションだ。
「だまし絵的なメガネで、見る角度で表情が変わります。丸メガネをたたむことで、笑っているように見えたり、泣いているように見えたりね。シルモドール発表前に、テオのウィム・ソーメルス氏から『ノミネートだけでもシルモドールと同じ価値がある。おめでとう!』といわれたのが印象的です」
ファクトリーブランドならば、テクニカル部門で評価されることも栄えあることのように思われるが……。
「シルモドールにも技術部門はありますが、そちらに興味はありません。デザイン部門で認められなければ、日本のメガネをとりまく状況は何も変わりませんから」 翌2014年度もメガネ部門でノミネート。前出のウィム氏にいわせれば連続受賞と同じくらいの栄誉だが、シルモドールの金賞には届かない。さらに翌2015年度も3年連続でノミネートされる。それが“6EYES ”の異名で話題を呼んだ問題作だ。
「2014年度は<RETRO FUTURE BY 900>というブランドでノミネートされました。となると、フラッグシップである大文字表記の<FACTORY900>で獲ることが至上命題。この『FA-087』はコンセプトモデルで、潜水帽ののぞき穴にインスパイアされたデザインです。構想に3年かかりました。それにしても、よくノミネートされたなぁ、というのが正直な感想(笑)。だけど、サングラス部門の金賞で落選したときは悔しかったですね。現地での前評判もよかっただけに、なんだか腹が立ってきて、そのときのことは今でもよく覚えていないほど。で、最後に審査員特別賞が発表されて……。満場一致の受賞ということで、一度、落ち込んでいたぶん、最高に盛り上がりました」
先代(青山氏の父)は、“世界一のメガネをつくる”というのが夢だったとか。それをカタチにできた瞬間だった。
"I remember a joint exhibition called Fukui booth. At that time I tried to persuade members of other companies to exhibit in an area called “the village" that pushed brands to the fore rather than in an area accepting OEM from overseas brands. I had no idea how we would submit an entry to something like SILMO d'Or at that time (laugh), I couldn’t afford it." Since then, they have continued to exhibit at SILMO every year until now. From that third event onwards, they participated in a solo booth and started entering SILMO D'OR. And finally in 2013
"In 2014, we were nominated under our
His predecessor (Mr Aoyama 's father) said that "making the best glasses in the world " was his dream. That was the moment when he realised that dream.
factory900「fa-1111」3万5640円
2013年にサングラス部門金賞を受賞。
FACTORY900「FA-087」7万5600円
2015年に審査員特別賞を受賞。
factory900「fa-1111」3万5640円
2013 Sunglasses category Gold Prize winner.
FACTORY900「FA-087」7万5600円
2015 Special Jury award winner.
●FACTORY900 TOKOY BASE Tel. 03-3409-0098
www.factory900.jp/
photo:JUN UENO
text: RYOSUKE KATO
design:KOHTARO HORI(horitz)
direction: HOOK
UPDATE20171003